【Q】
透析を初めるタイミングは?その時の自覚症状は?

【A】
ご質問、ありがとうございます。透析を開始する場合は、大きく分けて2つの場合があります。急性腎不全と慢性腎不全の場合です。前者は、原因の解決が速やかにできると、いったん開始した透析治療も中止することができます。ここでは、後者の慢性腎不全が進行して、移植を除けば恒久的に透析が必要となる場合についてお答えしたいと思います。
 徐々に腎機能が低下する慢性腎不全ですが、初期は自覚症状に乏しいことがほとんどです。腎臓が悪くなった原因にもよりますが、さらに機能低下が進んでくると、腎性貧血と呼ばれる貧血や血圧上昇がみられるようになり、機能低下の進行とともに悪化します。ただ、いずれも治療薬によって改善が可能ですので、症状はあまり自覚することは少ないのが実際です。
 続いて、電解質のバランス異常などもみられるようになり、腎機能が正常の10~15%を下回ると、飲み薬や注射などによる、いわゆる保存的治療では、血液をろ過して老廃物(尿毒素)を十分に尿に出すことができず、生命の危険も高まる段階になると、いよいよ「腎代替療法」と呼ばれる透析療法が必要になります。
 この透析導入の基準として、長らく厚生労働省の定めた基準を参考にしてきました。
< http://www.sudaclinic.jp/jinko/002.html >(透析専門の須田クリニック様のHPより)をご覧ください。
ここでは、点数が目安となっていますが、実際には点数付けをして、透析を始めましょうということにはなりません。なにより重要なのは、尿毒素が蓄積することによる尿毒症の症状が進行しないようにするために、透析治療を選択するという点です。
 先のホームページにもありますように、さまざまな尿毒症の合併症が全身に起こりえます。例えば、糖尿病性腎症による腎不全の場合は、全身浮腫や心不全が早期から出現するため、透析を開始するタイミングは早くなるケースが多くなります。
 また、もう一つの目安が、血清クレアチニン値でした。腎臓病の身体障害者の認定に用いられてきたからです。こちらも長らく、クレアチニンの値によって、1級、3級、4級と決められていました。しかし、高齢化の進行などの現状を踏まえ、認定基準に用いる検査方法が増えました。あくまで、症状の改善のために透析を開始するのですが、医療費の補助のことを考えると、透析を始める前後の腎機能も意識せざるを得ないというのも実際のところです。