腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体の外に排出することで、血液の状態などを一定に保つ働きをしています。尿量は、飲食などによる水分の摂取量はもちろん、下痢、嘔吐、高熱などによる水分喪失によっても、さらに不感蒸泄という自覚しないうちに喪失する水分も900ml程度あり、さまざまな環境条件も含めて大きく変化します。

 一般的には、健康成人の24時間の尿量の平均は1,500mlとされています。尿量の維持は重要で、1日尿量が400ml以下になった場合を乏尿とよびます。これは腎機能の本来の機能である、血液中の老廃物を尿に排泄できるギリギリのラインです。ただ、あくまで腎機能が正常という前提になります。これが進んで、尿量が1日尿量が100ml以下になった場合を無尿と定義しています。この場合は透析の準備が必要です。

 このように腎臓は正常であれば、その日の飲水量などに応じて、老廃物を濃縮して尿に出すことができるのですが、腎機能の低下とともに、尿の濃縮力が低下して多めの尿が必要となります。安静にしていると尿がつくられやすく、夜間に頻尿になることが多くなります。昼間よりもよく尿が出るくらいになります。昔から、おじいちゃんやおばあちゃんは、なんで夜におトイレに起きるんだろうと思われていましたが、加齢による腎機能低下が背景にあります。

 また、尿毒症を避けるという観点からは、尿量は多い方が良いということになります。前回もとりあげましたが、心機能や栄養状態などに問題がない人は、塩分摂取過多にならないように気をつけながら、飲水を増やすことが腎臓に優しくすることにつながります。塩分にきをつけなければならないのは、摂りすぎると尿にならない水分が体内に過剰になり(体液過剰)、血圧が上昇したり、むくみが目立ったりしますので、注意が必要です。

 そもそも、塩分やナトリウムは体内に必要な量は決まっています。そのため、腎機能が低下してくると、摂取したナトリウムを日中に排泄しきれず、体内にナトリウムが残る(貯留)するために、日中に排泄できなかった残りのナトリウムを、夜間の血圧を高くして、夜間にナトリウムを排泄しようとします。これが夜間多尿の原因ともなります。

 最近、よく言われる過活動性膀胱との違いは、尿量の多さです。過活動性膀胱は頻回にトイレに行きたくなるものの、尿量はあまり出ないことが多いのですが、腎機能低下による夜間頻尿は、尿量が結構多いという点で、同じ頻尿でも原因が異なりますので、この点にも注意が必要です。

 いずれにしても、尿の観察をしておくことは、とっても大切です。