前回の尿量とも関係する話題です。みなさんは、ご自身の尿の色は確認されているでしょうか?腎臓は賢い臓器ですので、そのときどきの食事や飲水に柔軟に対処して、体内に不要になったものは尿に捨てて、尿に出ていくと不足して困りそうなものは、再吸収というかたちで、再び体内に取り込むといった作業を常に行っています。

 これも前回触れましたが、1日尿量が400ml以下になった場合は乏尿とよんで、血液中の老廃物を尿に排泄できるギリギリのラインです。ただし、これは、腎機能が低下していない場合の話です。腎機能が正常な場合は、少ない尿にでも、老廃物を濃縮して出すだけのパワーがあります。その結果、尿の色は一般的に淡黄色から黄褐色に見えます。

 黄色く見える元は、ウロクロムやウロビリン、ウロビリノーゲンなどの物質が尿に出てくるからです。そして、重要なのは、その濃さです。わかりやすいのは、起きて最初の尿は濃いことが多く、昼間は薄くなる傾向があり、実際、一日を通して尿を見ていただくと、うなずけるのではないかと思います。

 具体的には、次の2点を理解していただければと思います。
・飲水量が多いと、色は薄くなり、透明に近くなる。反対に飲食ができていないと(起床時など)、濃くなる。飲水ができていても、発汗量などが多くても、尿は濃くなります。
・長期的には、腎機能の低下と共に、腎臓がもつ濃縮力が低下して、濃い尿がつくれなくなります。つまり、老廃物を尿として出す力が低下してきたことを意味します。当然ながら、そうなると尿量が少ないほど、体内に老廃物がとどまり、貯まっていきます。これが進行していくと血液検査でも異常がみられます。

 最後に注意点としては、尿の色が普段と急に変わった時です。まず、ビタミンB群などが入ったサプリメントやドリンクをのんだときは、かなり鮮やかな黄色の尿になります。また、薬で尿の色が変わることもあります。腎臓病の中では、腎炎で血尿がみられると赤色がかったものから、重症の場合は茶褐色やコーラの色のような尿になることもあります。また、腎臓病以外でも、尿の色が変化することがありますので、色の異常が続くようでしたら、早めに一度、検査をうけていただくことをおすすめします。