今回は『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018』から、「尿酸低下療法」をとりあげます。

 尿酸というと、痛風を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。一度、痛風を経験すると、尿酸値が高いのを放置することのリスクに敏感になります。一方で、痛風に縁のない方は、ご自身の尿酸値について、あまり関心が高くないことも、よく経験します。

痛風

 文字通り、尿酸は、その約70%が腎臓から排泄されます。そのため、腎機能が低下してくると、この尿酸排泄が低下して、結果として高尿酸血症が認められることが多くあります。このように、これまでCKDにみられる高尿酸血症は、腎機能低下に伴って出現する二次的なものという認識が多かったようです。

 しかしながら、近年、さまざまな研究結果として、尿酸値が高いこと自体に大きなリスクが潜んでいることがわかってきました。つまり、高尿酸血症は、単に痛風の原因であるだけでなく、高血圧やCKD、心血管病の原因として、深く関連性があることが、わかってきました。

 痛風の場合は、高尿酸血症によって尿酸結晶が沈着するという機序とは異なり、血管の細胞などに対する尿酸の直接作用(酸化促進作用,pro-oxidant作用)によりもたらされると考えられています。

 こうなると、腎臓を守るためにも、尿酸値の管理が重要となる訳ですが、尿酸を低下させることの実証(エビデンス)は、あまり見当たりません。現時点でのさまざまな研究成果を基に考えると、アロプリノール(ザイロリック)もしくは、フェブキソスタット(フェブリク)が有用な可能性があり、ガイドラインでも、その使用が提案されています。ただ、注意点としては、腎機能低下例では副作用の点からアロプリノールは減量が必要です。

 また、どこまで尿酸値を下げればよいかは、「CKDステージG3b~5 患者のための腎障害進展予防とスムーズな腎代替療法への移行に向けた診療ガイドライン2015」や、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2 版」で推奨されているように、「血清尿酸値8.0 mg/dL以上で薬物治療を開始し、6.0mg/dL以下を目標とする」に準拠してもよいと考えられています。