さて、前回、高尿酸血症は痛風だけでなく腎臓を含む血管自体を傷つけることの概略をお話しました。痛風が別名、「皇帝病」と呼ばれるように、豊食となった現代病であることは、まちがいなさそうです。ある残された記載によると「明治時代に痛風がなかった」ともあります。そういう点からも、高尿酸血症は生活習慣病として、考えた方がいいでしょう。

 また巷では、「尿酸は、ビールなどの醸造酒はダメだけれど、焼酎などの蒸留酒は大丈夫だよ」などとよく耳にします。しかしながら、そもそも、エタノール自体が代謝される過程で尿酸を産生することが知られています。また、利尿作用があることから、前回も触れたように、脱水傾向に向かう可能性もたかくなることから、やっぱり尿酸値は上昇します。

 尿酸値が7mg/dLを超えると高尿酸血症と定義されます。これは、血液中に溶ける限界値が7mg/dLであるためです。つまり、この値を超えると、痛風発作が頻発し、痛風結節、尿路結節、痛風腎となったり、全身の血管にダメージを与えうるからです。また、高尿酸血症は脳血管疾患の合併症が多いことも知られています。

 糖尿病や高血圧にくらべると、大規模な臨床研究が少ないのですが、高尿酸血症から腎臓病、高血圧、脂質異常が生じることが知られています。女性では糖尿病も発症しやすいとの報告もあります。基礎研究でも、血管の内皮細胞などの血管を構成する細胞への障害のメカニズムがかなり詳しくわかってきています。

 糖尿病や高血圧に遅れてですが、さまざまなことが明らかになりつつあります。少なくとも血液に溶けないような高値にならないようにしたいものです。なにせ、腎臓は血管のかたまりの臓器ですから。

 さて、それでは、健診などで高尿酸血症を指摘されたら、どうするか。いきなり薬に頼るのではなく、ご自身の体のコンディションを見直していただきたいと思います。タンパク質の多い食事、アルコール、肥満、水分摂取不足などに心当たりがないかどうか。該当するものがあれば、まずは、そこから対処を考えていただきたいと思います。また、利尿剤でも尿酸値がかなり上昇することがあります。必要以上に利尿剤が用いられている場合もありますので、その場合は主治医との相談と、塩分制限などで対処を考えましょう。