日本を含むアジア圏の国は、腎炎のうちで、「IgA腎症」が多く認められます。そして、近年では、その有効な治療法として、「口蓋扁桃摘出術+ステロイドパルス療法」が適用されるようになってきています。ガイドラインでも、この治療法は「IgA 腎症の尿所見を改善し,腎機能障害の進行を抑制する可能性があり,治療選択肢として検討してもよい」と記されています。
 一般にいう「扁桃」は「口蓋扁桃」で、それ以外の扁桃も近傍に複数存在しています。ただ、IgA腎症の発症や進展に関する程度が大きいのが、口蓋扁桃です。
 この治療法は、日本発であり、堀田先生らが1993 年にステロイドパルス療法を含む集約的治療に扁摘を併用すると尿所見の改善率が高まることに、端を発しています。さらに、1996 年に扁摘+ステロイドパルス療法を含む集約的治療は保存的治療に比べて、腎機能障害と尿所見の改善を生じ得ることを報告しています。ただ、エビデンスとするには、条件が不足していました。
 しかし、2011 年度の日本腎臓学会学術総会で報告されていた厚生労働省進行性腎障害調査研究班のランダム化比較試験の詳しい結果が、最近に論文として発表されました。より、エビデンスの蓄積が待たれます。