今年の夏は酷暑で、夜中も気温があまり低下せず、これまで以上に寝苦しい夜が続いてきました。やっと、少しずつ緩和されつつあるところです。睡眠時間が短かったり、質が十分でないと、翌日の体調がすぐれないという経験は多くの方がされます。

 先進国の中でも、睡眠時間が最も少ないのは、日本人という話題がよくとりあげられます。「1日の1/3は睡眠時間に当てるのが理想」とも言われていますが、この理想を実現している成人は日本では少ないでしょう。2016年に経済協力開発機構(OECD)が実施した調査によれば加盟国の15~64歳の平均は8時間30分ほどで、日本は7時間22分でした。

 数年前に発表された「少ない睡眠時間と急激な腎臓機能低下の関連」(Kidney International(2016) 89,1324-1330)というタイトルの論文においては、「平均年齢58歳の女性において、1989年~2000年の間に睡眠時間が5時間以下、6時間、7~8時間、9時間以上のグループに分けてeGFR値の変化を調べています。

 結果としては、睡眠時間が6時間以下のグループは、7時間以上のグループよりeGFR値の低下速度が大きかったのです。原因として、もっとも指摘されるのは、睡眠不足になると、自律神経の乱れをまねいて、交感神経刺激が亢進し、血圧や血糖が上昇します。