今回は『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018』から、「学校検尿」をとりあげます。

 学校検尿の歴史を遡ると、1974年に世界に先駆けて本邦に導入され、それ以降、一定の成果を残してきている。学校保健法施行令、施行規則の改正によって、学校での健康診断の一環として実施するよう義務づけられ、翌年の1975年から全国でいっせいに始められました。

 このように尿検査が法律で義務づけられた背景には、子どもたちの疾病構造が当時、大きく変化したという事情がありました。感染症が激減して、腎臓病や心臓病、喘息といった慢性の病気が増えてきていたというものです。

 他国に類を見ない、学校検尿の充実で、小児の透析導入患者の原疾患に占める慢性腎炎の割合は、実際、1970年代の49.5%から2.3%まで著減しています。まさに、早期発見と早期治療の賜物と考えられます。

 さらに、本ガイドラインでは、従来のような、成長期の運動制限が大幅に緩和されることになりました。特に有酸素運動は制限するより勧める方向になってきています。

 そして、さらに重要なのは、検診における尿沈渣(血尿・白血球尿)の判定基準の見直し、尿蛋白も尿蛋白・クレアチニン比による判定や評価が推奨されるようになったというものです。この学校検尿によるスクリーニングの結果としては、IgA 腎症や膜性増殖性腎炎の見つかる頻度が高くなっています。

 今後は、小児肥満による腎障害も学校検尿で見出せるような改良が進むことに期待し、取り組む必要があると思っています。