『CKD診療ガイドライン 2018』から、今回は「腎性貧血」をとりあげます。

 腎臓病の方がよくおっしゃるのが、貧血の改善のために、「何を食べればいいですか?」との質問です。一般の方の貧血は、鉄が不足する、鉄欠乏性貧血が多いのですが、腎機能が低下してくることによって生じる貧血は「腎性貧血」で、原因が大きく異なります。

 名前の通り、「腎性貧血」は腎臓に原因があります。腎臓から産生されていて、赤血球を造り出すのに必須のエリスロポエチンというホルモンの産生が徐々に低下することによって生じるのが、この腎性貧血です。鉄と異なり、食事で補うことができないため、治療が必要になると注射で、エリスロポエチンを補うという治療が行われています。

 さて、ではこの治療で、どの程度を目安に治療すればよいかが、ガイドラインで示されています。ヘモグロビン濃度(Hb)の値を正常値まで増加させようとすると、かえって合併症が増加する可能性が示されてきています。そこで、現在は目標とするヘモグロビン濃度(Hb)は、11g/dL~13g/dLが推奨されています。

 ただし、重要な注意点があります。重い心臓病などがある方に対しては、Hb値が12g/dLを超えないように注意するということです。血圧や血液が濃縮するなどの点で、注意が必要ですので、主治医の先生と目標値に関して、よく相談し、細やかなコントロールが必要になります。

 また、エリスロポエチンを補っていれば、それで十分かというと、そうでない場合もあります。赤血球を効率よく造るためには、鉄も欠かせません。鉄の補充は過剰になることは避けた方がよいのですが、定期的な検査で鉄欠乏の状態を把握するフェリチンやTSAT(トランスフェリン飽和度)などの値を参考に、必要に応じて、鉄を補うことも大切です。