< https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31852659/ >
・・・昔から、不思議に思っていたことがあります。ずいぶんと何世紀も前から、画家の方々の寿命が長い点です。アトリエに長時間こもっていて、とても、散歩以外に、運動を積極的に取り入れていたとの記載も目にせず、近年でいう、メタボや運動不足はないものの、当時の一般の人々と比較して、明らかに長命であるのは、何故かという点です。

 この度、有名なBMJ誌に、公表されたのは、上の疑問にヒントを与えてくれたものです。美術館やコンサートに行くといった受容的芸術活動(receptive arts engagement)は、高齢者の寿命に保護的作用をもたらす可能性があるというものです。こうした活動を、1年に1~2回行う人は、まったく行わない人に比べて死亡リスクが約14%ほど低く、2~3ヵ月に1回行う人では31%も低かったというものでした。

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのDaisy博士らの報告では、50歳以上の住民6,710例を約14年間追跡し、データを解析し、被験者の自己報告による受容的芸術活動(美術館、アートギャラリー、展覧会、劇場、コンサートやオペラに行く)と死亡率との関連を調査したものです。被験者のうち女性は53.6%、平均年齢は65.9歳でした。

 著者らはこの関連性に関して「芸術活動をする人としない人における認知レベル、メンタルヘルス、身体活動度の違いによって部分的に説明はできそうだが、それらの因子を補正したモデルでも関連性は維持されていた」と検証結果を報告しています。ただ、今回の臨床試験は観察的試験であり、人口統計学的・社会経済的要因、健康関連・行動学的要因、社会的要因とは独立した要因であることが認められ、真の要因を仮定するには至らなかったと述べています。