< https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31703120/ >
・・・最近、TVで医療系番組でもCMもよく見かけるオメガ3脂肪酸に関する話題です。まず、オメガ3脂肪酸とは何なのか。まず、さまざまな「脂肪酸」は油を構成しています。そして、属している植物油はどれも1g=9kcalで、他の脂肪酸ともこれは同じです。カロリーは同じであるのに、異なる性質をもつのは、なぜか。

 油の中身である脂肪酸の違いを確認しましょう。まず、脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類できます。飽和脂肪酸は、一般には、固形で乳製品や肉などの動物性脂肪に多く含まれています。パルミチン酸、ステアリン酸などです。一方、不飽和脂肪酸は、常温では液状で、植物油に多く含まれています。オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などです。

 リノール酸やα-リノレン酸は、人間の体内でつくることができないために、必須脂肪酸と呼ばれます。必須アミノ酸などと同様な位置づけです。この不飽和脂肪酸がさらに、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸に分類できます。この二つの必須脂肪酸は、体内で作れないので、食品から摂取する必要があります。

 オメガ3脂肪酸は、近年、血中中性脂肪の低下、動脈硬化の抑制、血行促進、血栓予防、骨密度の改善などと、多様な効果があるという報告もあり、健康と美容にも良いとされてきています。今回の研究は、2型糖尿病患者さんにおいて、ビタミンD3あるいはオメガ3脂肪酸を補充し、5年間の推定糸球体濾過量(eGFR)のベースラインからの変化に、コントロールと比較して、有意差は認められないことを示しました。

 ワシントン大学では、「Vitamin D and Omega-3 Trial:VITAL試験」の補助的研究として実施したものです。結果を研究者らは「腎機能維持のためのビタミンDまたはオメガ3脂肪酸サプリメントの使用は支持されないことが示された」と述べています。実は、ビタミンDまたはオメガ3脂肪酸が健常人の心血管イベントやがんの発症を抑制するか否かを検討した大規模無作為化試験VITALの結果はすでに報告されているですが、残念ながらビタミンDおよびオメガ3脂肪酸の両者ともに心血管イベントもがんも抑制しないことがしめされています。

  ビタミンDやオメガ3脂肪酸をサプリとして、利用している人は多いと思われますが、やはり万能薬はないということで、これもまた、エビデンスに基づいた治療と健康的な食生活・運動を地道に継続するのが、望ましいということですね。