今回は『腎臓リハビリテーションガイドライン』から、「栄養状態・サルコペニア・フレイルの評価」をとりあげます。

 最近、話題になることが多い腎臓リハビリに関してです。従来は、腎臓病というと一律に安静に始動されがちであったものが、最近では、積極的に運動・リハビリを取り入れていくことが腎臓のためにプラスになることがわかってきました。今回は、その基礎として、まさに腎臓リハビリと直結するサルコペニア・フレイルと、その土台となる栄養状態についてふれましょう。

 栄養状態の評価には、いくつかの確立してきた評価方法があります。病歴と身体検査の結果から、過去 3 ヵ月間の食事量減少、過去 3 ヵ月間の体重減少、自力歩行、過去 3 ヵ月間の精神的ストレスと急性疾患、神経・精神的問題、BMI(body mass index)BMI などからスコア化します。また、低栄養状態の病態として protein-energy wasting(PEW)の有無を評価します。具体的な検査項目としては、これまでもなんどかとりあげてきた血清アルブミン値が用いられます。

 サルコペニアの評価には、Asian working group for sarcopenia(AWGS)が公開している論文の内容に従って、筋力低下(握力:男性 26 kg 未満,女性 18 kg 未満)もしくは身体機能低下(歩行速度 0.8 m/秒以下)を認め、さらに骨格筋量減少も認めた場合にサルコペニアと診断することとしています。サルコペニアと判断された場合には、その原因として、加齢、活動、栄養、疾患のいずれに該当するかを解明します。

 フレイルの評価は、特徴として、身体面だけでなく、認知のレベルや、社会的な側面も考慮します。身体的フレイルの評価では、体重、疲労感、活動量、歩行速度低下、握力低下の 5 項目を評価して、3 項目以上があてはまると身体的フレイル評価します。また、認知的フレイルは、身体的フレイルに加えて、軽度の認知障害を認めた場合に診断しています。さらに、社会的フレイルの評価では、独居であるかどうか、昨年に比べて外出頻度が減っているかどうか、友人の家を訪ねているかどうか、家族や友人の役に立っていると思うかどうか、誰かと毎日会話をしているかどうかが問われます。

 社会的フレイルは、上記 5 項目のうち、2 項目以上があてはまると社会的フレイルとされます。このように、フレイルは、単に身体的な能力だけでなく、意欲や社会性といった、健康寿命の維持に重要な要素も考慮されているのです。