最近、頻尿を主症状とする「過活動膀胱」という疾患が広くしられるところとなってきています。また、その治療薬も次々と登場してきています。それだけ、頻尿の患者さんの数が増えているということですし、なかでも、夜におトイレに起きるというのは、確かに睡眠の時間や質を損なうことになります。

 これまでも、腎機能低下を防ぐために、水分摂取の大切さは繰り返し、述べてきました。そこで、腎機能低下と「過活動膀胱」の関連と、その考え方を整理したいともいます。これまでとりあげてきたテーマでは、「拡張期血圧」や前々号の「水分摂取」も参考になります。

 慢性腎臓病(CKD)という概念が10年余り前に登場する前は、「Seldinの分類」という腎機能低下とそれに伴う体の変化をわかりやすく表したものがありました。腎臓は血中の物質を尿へ排泄し、同時に必要な水分を血液中に戻しています。水分の必要以上の喪失を防ぐため、この本来の腎臓の機能が、尿濃縮能です。しかしながら、加齢とともに、尿の濃縮機能が低下することが示されています。

 腎機能が低下すると、昼間に食事などで摂取したナトリウムを濃縮して、起きているうちに尿に出し切ることができなくなってきます。そのため、日中に排泄できなかったナトリウムを夜間に排泄しようとして、夜間尿がみられるようになってきます。特徴としては、こうした場合、夜間の尿量が比較的多いということが言えます。

 そのため、ナトリウムが貯留すると夜間の血圧を高くして、夜間にナトリウムを排泄しようとします。すると、本来夜間は血圧が低下する機構が破綻して、腎機能低下がさらに進行します。

 一方で、膀胱容量減少・前立腺肥大・膀胱炎などの排尿障害、眠りが浅く日中同様に尿意を感じての排尿(睡眠障害)、抗利尿ホルモン(本来夜間尿量を減らす)の分泌不足も頻尿には関係します。そして、夜間尿もみられます。ただ、腎機能低下に関与する夜間尿は上述のように、日中と夜間で差異がみられるます。