【Q】
 こんにちは。いつもメルマガで様々な医学知識を学ばせて頂いております。
中性脂肪について質問なのですか、食後に中性脂肪の値が上がるとメルマガに書かれていたのですが、病院で特に食事抜きなどせずに血液検査した場合、中性脂肪の値は上限(空腹時中性脂肪の上限値)を大幅に超えると思うのですが、どの程度の範囲内であれば、正常であるという医学的な基準はあるのでしょうか?
 私が以前、病院で血液検査をした際、食後数時間経ったあとに検査したのですか、中性脂肪がとても高く250~300程、出ていました。
 血液検査の結果について、検索しましたが基本的に空腹時中性脂肪値についての説明はたくさんあるのですが、食事をとった場合の血液検査の中性脂肪の値についての説明はあまりなく、先生のご意見を伺いたく質問させて頂きました。
腎臓に関わる質問か分からないのですが、もし、よろしければ、よろしくお願い致します。
 これからもメルマガでの様々な医学知識やデータ楽しみにしております。
 それでは、失礼致します。

【A】
 前の方に頂戴したご質問とも重なるところが大きいと思います。
 まずは、食後中性脂肪(非空腹時とか随時ともいわれます)がリスクとして扱う基準が明確化されています。
 メルマガでは、図などを記すことができず、ご理解を容易にすることが難しい場合もありますが、とても、わかりやすく、血糖と中性脂肪の食前・食後のそれぞれの関連性をわかりやすく示し、詳しい説明がされている論文がweb上に公開されています。下記です。
http://www.nankyudai.ac.jp/library/47a-01%20Ogawa.pdf
 対象が若い方ではありますが、これが原則的な関連です。一般成人で、メタボになり、インスリン抵抗性をもつようになると、食後中性脂肪の問題はより増大します。アルコール摂取なども習慣性になると同様の問題が増大します。
 一つの目安として、コレステロール値はあまり食事の影響を受けませんが、中性脂肪は食事の影響を受けやすく、もとの値に戻るのに8時間ぐらいかかります。メタボリックシンドロームや糖尿病などの代謝に異常のある人は、さらに上昇し、食前の10倍近くの値になることもあります。肥満、運動不足、アルコールも食後中性脂肪の上昇を強くし、空腹時の値に戻るまでの時間を延長させます。
 さまざまな中性脂肪を処理する酵素の活性低下などが原因です。このように、食後に中性脂肪が著明に上昇する状態を食後高脂血症もしくは食後高中性脂肪血症と呼び、脂肪が代謝されてゆく過程のレムナントリポ蛋白という物質が、処理能低下の影響で増えています。このレムナントリポ蛋白は動脈壁に侵入してたまりやすく、結果として動脈硬化を起こします。生活習慣病が気になる方は、空腹時の血液検査のみではなく、食後2時間ぐらいでの血液検査もすることを、まずはお勧めします。