微小変化型ネフローゼ症候群は小児に好発するのが特徴でしたが、副腎皮質ステロイドに対する反応性は良好で、90%以上は、初回の治療で寛解に至ります。一方、成人の微小変化型ネフローゼ症候群でも9割以上が寛解に至るのですが、50 歳以上になると寛解までの期間が遷延するといわれています。特に、75 歳以上では優位に完全寛解までの期間が延長しているとの報告があります。それでも、治療開始後100 日あまりで、ほぼ寛解に至ります。

 このように、ステロイド薬に対する反応性が良好で、完全寛解に至る場合、ステロイド感受性ネフローゼ症候群とよばれます。一方、残りの10%程度は、ステロイド投与にもかかわらず蛋白尿が持続するステロイド抵抗性ネフローゼ症候群とされています。

 ステロイド感受性ネフローゼ症候群の約30%の症例では、初回の発症のみで、その後の再発はないとされています。目安として、治療終了後2年間再発がない場合には、その後、再発する可能性は低いと考えられています。また、10~20%の症例では、初回のステロイド治療終了の数か月後に再発しますが、そのたび、ステロイド加療を行い、再発・治療を3~4回繰り返して治癒に至ることが多いことが知られています。

 さらに、残りの半数近くの症例では、ステロイドの減量や中止に伴って頻回に再発を繰り返す「頻回再発型ネフローゼ症候群」となります。わが国における「頻回再発型ネフローゼ症候群」の頻度は、ステロイド感受性ネフローゼ症候群の20~30%程度です。さらに、「ステロイド依存性ネフローゼ症候群」は、頻回再発型ネフローゼ症候群の重症型であり、その80~85%を占めると考えられていますが、その程度は、個人差が大きいことも事実です。

 また、注意点としては、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群であっても、他の免疫抑制療法に反応して寛解に至る場合には腎予後は比較的良好ですが、これらの治療に反応せずに、ネフローゼ状態が持続する場合には、巣状分節性糸球体硬化症である可能性が高まり、進行すると腎不全に至ることが多くなります。