今回から、一次性ネフローゼ症候群の代表例である微小変化型ネフローゼ症候群を詳しく、みていきたいと思います。今回は、どのような場合に、微小変化型ネフローゼ症候群ではないかと考えるか。腎生検をする以前に、それと思わせる特徴を含めた全体像を整理しましょう。

 微小変化型ネフローゼ症候群は、小児のネフローゼ症候群の約80%を占め、1年間に小児10万人に2~5人がネフローゼ症候群を発症し、小児のネフローゼ症候群の約90%が原因不明な特発性ネフローゼ症候群であって、さらにその約90%が微小変化型ネフローゼ症候群として知られています。また、小児に限らず、成人においても多く、わが国の一次性ネフローゼ症候群の38.7%を占めています。

 特徴は、何より、発症が急激で、進行も急速である点です。突然に発症し、高度のタンパク尿を来たすことで、低アルブミン血症にあっという間に進行し、浮腫が出現します。これまでにも述べてきましたが、血液中のアルブミンが減少すると、腎臓を含む全身の結果の血流が低下して、尿も出にくくなり、1週間ほどで、10kgほど体重が増えてしまうということもしばしばみられます。

 一方で、治療としては、自然寛解はまれで(ときにはあります)、ステロイド薬が奏効する場合が多いということです。ただ、頻回に再発したり、ステロイドに依存するタイプが多いのも事実です。これだけ、大変な症状や再燃・再発があっても、腎機能は低下しにくく、慢性腎不全に至ることは通常ありません。

 ただ、発症初期で、治療が効果を示すまでには、さきほどのように、尿が出にくくなることなどから、急性腎障害として、血清クレアチニンの値が上昇することも、ときおりみられます。これも、ステロイドが反応し、尿タンパクのコントロールがついてくる頃から回復してくるのが通常です。

 また、知っておいていただきたい重要な点としては、微小変化型ネフローゼ症候群を含む、一次性ネフローゼ症候群は、現在、指定難病とされており、その一部は申請して、認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成されます。
次回は「第3回 原因と症状」をお届けします