【Q】 腎臓病の治療に関する研究方法に関しての質問です。腎臓病には治療薬はまだ登場しておらず、日本でも慢性維持透析患者数の増加が深刻化していると思います。そんな中、ミニ腎臓を使った治療薬の研究が近年可能となり、新しい薬の開発が期待されていると聞きました。
 たいへん基本的なことで申し訳ありませんが、腎臓病に限らず、マウスなどの動物実験でも、よく、病気や新薬の研究がされていると思います。ミニ腎臓を利用した研究では、いわゆる動物実験と比較して、どのような利点があげられるのでしょうか?。

【A】 まず、一般的に知られている点としては、腎臓に限らず、マウスに効く薬が、ヒトでは効かないということが挙げられます。製薬会社もそのため、最近では、マウスやマウスの細胞で得られた結果では、治験以前に、そもそも薬の開発に、ゴーサインが出ません。
 その点で、私達が作製に成功した「ミニ腎臓」は、すべてヒトの細胞より構成されている点で、移植や薬の開発への、かなりの近道を与えてくれたと考えています。患者さんの尿に脱落した細胞を用いても「ミニ腎臓」が作製可能なことから、個々の病気・状態にあわせて治療法をデザインすることもできます。
 また、よく外来で患者さんから、「iPS細胞でいつ腎臓は治るようになるか」との質問をいただくのですが、文科省の公表しているロードマップにおいても、腎臓病は常に最後尾であり、見通しさえ立っていない状況からしても、ミニ腎臓による治療薬開発に期待しています。