今回からは、膜性腎症の特集です。聞きなじみが少ない方もいらっしゃることと思います。まず、「膜」とは何?という感じでしょうか。実は、ここがポイントです。腎臓の働きの中心である、血液をろ過して、尿毒素を尿に捨てる際の「ろ過膜」を示しています。糸球体の毛細血管の壁ということもできます。

 病態も、膜を構成する糸球体の上皮細胞(ポドサイト)の足もとに、免疫複合体が形成されることで、上皮細胞(ポドサイト)の機能障害を起こします。ろ過膜の異常ですので、膜から漏れるかっこうで、蛋白尿が生じます。程度は、微小変化型ネフローゼ症候群に比較すると、ややマイルドで、膜性腎症の約8割はネフローゼ症候群を呈し、残りの2割程度はもう少し少ないレベルの蛋白尿を来たします。

 少し馴染の薄い、膜性腎症ですが、年齢層にもよりますが、成人のネフローゼ症候群の一定数(3~8割)を占めています。男性にやや多くて、40~70歳に好発します。微小変化型ネフローゼ症候群とやや対照的で、比較的ゆっくりと進行する蛋白尿と浮腫が特徴であり、中年以後に発症するネフローゼ症候群のうちでは、最も頻度が高いものです。

 そして、膜性腎症は一次性(特発性)と二次性とに分けられます。二次性の原因の一つに、悪性腫瘍があるため、要注意の疾患でもあります。次号より、項目ごとに詳しくみていきたいと思います。