膜性腎症は、通常、中高年者に発症するネフローゼ症候群であるため、少なくとも、加齢の影響がベースにあるため、発症年齢も考慮せねばなりません。同時に、ネフローゼ発症までに、例えば、糖尿病などの生活習慣病を有していると、その分の影響もあわせて考えなければなりません。健康な方でも、30歳をすぎると、加齢現象によって、腎臓は少しずつ傷んでいくからです。

 さて、膜性腎症自体では、実臨床的には,約20~30 %は自然寛解しますが、残りの症例は持続性蛋白尿を呈します。さらに、ステロイドに抵抗性を示すものは予後が悪いとされ、わが国でも約 1/3 の症例が末期腎不全に至ります。

 ネフローゼ症候群のなかでは、一般に、予後は比較的良好とされていて、わが国の10年後腎生存率は90%程度とされています。しかしながら、ネフローゼ症候群や持続的タンパク尿が長期化する状態では、その予後は悪く、10年後には50%が腎死となり、20年後では80%に及んでいるというデータもあります。さらに、寿命自体が延長すると、当然ながら、腎死に至る割合は増えていくことが予想されます。

 腎予後不良のリスク因子としては、これまでに、男性、60歳以上、ネフローゼ症候群の遷延、血清クレアチニン上昇(>1.5mg/dL)などとともに、糸球体硬化病変や尿細管間質病変を合併していること、すなわち、発症前に、生活習慣病を含め、何らかの腎臓へダメージを与えるようなことがあった場合、となります。

 また、これまでも何度か述べてきましたが、続発性(二次性)に関しては、原因が見つかれば、原因の治療によって寛解を目指すことが重要です。薬剤によるものは、原因と思しき薬剤(被疑薬)の中止を行い、他の合併症はそれ自体の治療を行います。