膜性腎症は、約25%の患者さんは自然寛解し、25%ではネフローゼレベルに達しない持続性のタンパク尿でとどまり、25%は持続性のネフローゼ症候群を示し、25%は末期腎臓病へ進行することが知られています。治療は、こうした尿タンパク量を中心とし、治療のタイミングでの年齢や腎機能を考慮して決定します。

 ネフローゼ症候群であれば、浮腫を中心とした症状がみられます。また、最初に気づいたときは、少量の尿タンパクであったが、徐々に増加してくるケースも多く、こうした場合は、早期発見・早期治療の原則にしたがいます。持続的な尿タンパクというだけで、腎機能低下の原因となりますので、治療が望まれます。

治療の考え方としては、この疾患は自己免疫性疾患の側面がありますから、薬物治療としては、ステロイドとして、プレドニゾロンの経口治療が最初の治療薬となります。そして、ステロイド治療で 4 週以上治療しても、完全寛解あるいは不完全寛解I型(尿タンパク 1 g/日以下)に至らない場合は、ステロイド抵抗性と考えて、免疫抑制薬の併用を考慮します。シクロスポリン、ミゾリビンやシクロホスファミドという薬剤が用いられます。

 また、注意を払わねばならないのは、続発性(二次性)膜性腎症です。最も注意すべきは、胃癌、肺癌、大腸癌、肝癌、卵巣癌、白血病など悪性腫瘍です。それ以外にも、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎V型)、関節リウマチなどの自己免疫疾患、B型肝炎、梅毒、マラリア、フィラリアなどの感染症、金製剤、ブシラミン、D-ペニシラミン、TNF-α阻害薬、非ステロイド性抗炎症鎮痛薬などの薬剤など、多様です。

 これら、続発性(二次性)に関しては、原因が見つかれば、原因治療による寛解を目指すことが重要です。薬剤によるものは、原因と思しき薬剤(被疑薬)の中止を行い、他の合併症はそれ自身の治療を行います。
 次回は予後についてお話しします。