前回から取り上げた、膜性腎症のに関して、今回は全体像をみていこうと思います。膜性腎症は、中高年者に発症するネフローゼ症候群の原因のなかでも、最も頻度が高い疾患です。臨床像としては、一部には、自然寛解(無治療で)することもありますが、それ以外は、持続する蛋白尿を示して、ステロイドの治療に抵抗することもあります。

 微小変化ネフローゼ症候群に比較すると、予後が悪く、わが国で.も約 1/3 の症例が腎不全に至るとされています。膜性腎症は、何らかの免疫異常として、免疫複合体が糸球体の基底膜(GBM)に沈着し、GBMの肥厚を伴います。その結果として、浮腫および重度タンパク尿が多くなりますが、必ずしも、ネフローゼ症候群の定義を満たさないこともあります。

 発症の原因は、通常不明であることが多いのですが、続発性の原因として薬物、感染症、自己免疫疾患、癌などがあります。

 診断は、この場合も腎生検によります。中高年の方に発症するので、加齢や他の生活習慣病による腎障害と、ともに所見が見られることも多く、それによって、治療の匙加減が変わることもあります。詳しくは、次回以降を、ご覧ください。