血液検査を受けると、まずMCVという項目があります。何となく、見過ごされていませんでしょうか。MCV以外にも、MCH, MCHCと並んでいることが多く、よくわからない、となりがちですが、この「MCV」はかなり重要な意味を表しています。

 まず、MCVの意味するところですが、簡単には、鉄が足りていないか、過剰になっていないかを判断するのに、非常に有用です。血清中の鉄濃度よりも重要です。つまり、体内、血液内に鉄が十分かどうかと、しっかりと赤血球の産生に用いられているかどうかを鋭敏に示しています。

 それが、赤血球がどれくらいの大きさなのか(=平均的な容積)ということで知ることができるのです。特に、1回きりの値で判断するより、連続する検査結果の中で、MCVがどのように変化しているかに注意してください。

 高値であれば、鉄過剰で、慢性炎症への関与を考えると注意が必要です。腎機能が低下してくると、エリスロポエチンが十分に機能しなくて、鉄の利用ができていない場合が多くなります。逆に、低値であれば、エリスロポエチンの反応が鉄不足のために不良である可能性を考えます。

 Hb(ヘモグロビン濃度)の推移とともに、MCVの変化にも、目を向けましょう。Hb値が低くて、「MCV」が高い場合を大球性貧血といい、ビタミンB12や葉酸が欠乏している場合もありますから、Hbの値だけで、治療がすぐには決まらないという次第です。