腎臓病患者に対する酸化マグネシウム投与は冠動脈石灰化の進展を抑制!
< https://jasn.asnjournals.org/content/23/8/1407.long >
・・・保存期腎臓病患者さんで、腎機能低下が進行するにつれて、心臓の冠動脈石灰化が増えることが知られています。また、腎臓病患者さんで、その程度が高いほど心筋梗塞や心不全などの心血管病の発症が増え、全死亡リスクが高まることも明らかにされています。

 石灰化は、骨と類似して、カルシウムとリンがその材料となります。一方、腎機能は低下してくると、血液中のカルシウムは低下し、リンは上昇してきます。そのため、高リン血症の治療は石灰化抑制のため重要とされており、現在でも、さまざまな種類のリンの吸着薬が使用されています。

 しかしながら、CKDの stage 3-4の症例を対象にして、リン吸着剤の効果を検討したランダム化比較試験においては、リン吸着剤は石灰化への進展を抑制できませんでした。そこで、最近、注目を集めているのが、マグネシウムです。これまでは、腎機能が低下すると血液中のマグネシウム濃度が上昇するため、マグネシウムを含む薬は減量されたり、中止されることが多くみられました。

 しかしながら、細胞レベルや動物実験では、マグネシウムが血管の石灰化を抑制することが示されてきていました。そうした流れから、最近になって、主にも抗便秘薬として用いられている酸化マグネシウムを腎機能が低下してきても、血液中の濃度をモニターしながらも、積極的に使用する施設・医師が増えてきています。

 一部の施設からは、酸化マグネシウム製剤と尿毒素吸着剤の球形吸着炭の効果を比較検討する臨床試験を行い、酸化マグネシウム製剤の平均投与量は約500mg/日と少なかったにもかかわらず、血管の石灰化の進行のリスクを抑えることができたとの報告もなされている。

 最も適した投与量や、どのような腎機能や心機能、あるいは合併症を有する患者さんに投与すべきかなど、明確にすべき点はありますが、注意して用いれば、副作用も少なく、もともと胃薬である点や、便通を含めて、さまざまな点で有用性が高いのが、酸化マグネシウムかもしれません。