これまでの話のとおり、ループス腎炎は、SLEが原因となって生じる腎障害です。そして、重要な点は、ループス腎炎こそが、SLE患者さんの予後を大きく左右することです。前回、見て頂いたように、ループス腎炎は、その組織像はとても多彩です。腎予後(腎機能低下進行や腎不全・透析に至ること)は、この組織型によることが、以前より知られてきました。

 III型とIV型(特にIV型)が、腎予後が不良であり、一方、尿タンパクが多くて、しばしばネフローゼ症候群に至るV型は、腎機能低下のリスクは低いというのが、従来の理解でした。しかしながら、近年、世界標準で治療可能な薬剤が徐々に増えてきたことと、新薬の登場などによって、III型とIV型の腎機能低下のリスクは徐々に低下してきています。それには、腎生検による活動性病変の程度を確実に評価することが欠かせません。

 それでも、重要なのは、早期に治療を開始できるかどうかです。例え、激しいIV型であっても、早期に適切な治療を行うことができれば、寛解導入も十分可能となり、長期的にみても、腎機能低下のない状態を維持することができるようになってきました。

 発症のときも、また、増悪や再燃のときも、ループス腎炎は尿所見に最初に変化が現れます。したがいまして、SLEの診断がついてから、あるいは、治療がうまくいっていても、定期的な尿検査は欠かせません。