前回の話の中で、ループス腎炎の診断基準に該当するような腎の所見があれば、腎生検を施行するということを述べました。つまり、これらは、治療を適切に行わないと進行性に腎機能が低下する恐れが高いということになります。

 腎生検では、ループス腎炎は、6つの病型に分類されます。以下の通りです。
Ⅰ:微小メサンギウムループス腎炎
組織はほぼ正常で、蛍光抗体法でメサンギウムに免疫沈着物が認められる。
Ⅱ:メサンギウム増殖性ループス腎炎
メサンギウムに限局して、細胞増多もしくはメサンギウム基質の拡大が認められ、メサンギウムに免疫沈着物が認められる。
Ⅲ:巣状ループス腎炎
全糸球体の50%未満に病変が存在する。
Ⅳ:びまん性ループス腎炎
全糸球体の50%以上に病変が存在する。
Ⅴ:膜性ループス腎炎
上皮下免疫沈着物を認める。
Ⅵ:進行した硬化性ループス腎炎
90%以上の糸球体が全節性硬化を示し、すでに活動性はなく、荒廃した腎となってしまっている。

 これらのうちで、Ⅲ型とⅣ型が重要です。そのため、さらに活動性病変のみである(A)か、活動性と慢性病変の両者(A/C)か、また慢性病変のみ(C)であるかといった細分化の評価を行います。これらは、いわゆる進行性の腎炎ですので、それを食い止めなければ、腎障害が進行してしまいます。特に、IV型は最も活動性が高く、強力な治療が必要となります。

 また、Ⅴ型はタンパク尿が多いのが特徴で、浮腫などの症状が出やすくはなりますが、Ⅲ型とⅣ型に比べると、腎機能低下のリスクは低いのが特徴です。

 これらの治療は、副腎皮質ステロイド薬を中心とした治療を行います。重症例では、ステロイドパルス療法を施行したり、シクロフォスファミド、タクロリムス、ブレディニンなどの免疫抑制剤を併用してきました。長らく、海外の標準治療とされていた薬剤が国内では使用できない薬剤ミコフェノール酸モフェチル等)も今は使用が可能です。さらに、新薬も登場してきており、治療の選択肢が増えてきました。次回は【予後】についてご説明します。