ループス腎炎は全身性エリテマトーデス(SLE)に起因する糸球体腎炎で、血尿やタンパク尿がみられ、進行すると不可逆的な腎機能低下に至ることもあります。SLEは、自己免疫疾患の一つであり、発現の頻度には性差がみられ、女性に発現しやすい疾患です。SLEによる障害は腎臓だけでなく、心臓、肺、皮膚、神経系、関節、膀胱などと多臓器に及ぶことがあります。

 このSLEは、多彩な自己抗体の産生と、その結果生じる免疫複合体が全身において皮膚、腎、血管などへの沈着が多く観察されます。特に腎臓に影響が及ぶループス腎炎は、SLEの予後決定因子の1つで、臨床的に極めて重要です。ループス腎炎は、 免疫複合体型糸球体腎炎とよばれるように、血液をろ過する糸球体が主たる病変ですが、それ以外の部位である尿細管、間質、細小血管にも病変が及ぶこともあります。

 SLEは原因が不明の全身性自己免疫疾患ですが、抗核抗体(anti-nuclear antibody:ANA)が免疫複合体形成のきっかけとなり、ループス腎炎をはじめとする多臓器病変が進展します。そして、多くの病態は副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬により改善しますが、寛解と再燃を繰り返しながら難治性の経過をとる場合も少なくありません。その一方で、日本では使用できなかった薬剤が治療に用いることができるようになり、新薬も登場しています。

 次回からは、詳しく原因、症状や治療などを、わかりやすくお伝えしていきたいと思います