今回は『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018』から、「脂質低下治療」をとりあげます。
 脂質異常といえば、コレステロールと中性脂肪の値の異常に関してですが、以前の記事でも中性脂肪に関して 、かなり詳しく述べましたので、今回は、主にコレステロールに関して、みていきたいと思います。一般的には、高コレステロール血症が心臓病の重要なリスクファクターであることが、よく知られていると思います。

 しかし、高コレステロール血症、詳しくは、いわゆる悪玉コレステロールと称されるLDLコレステロール値が高いことは、心臓のみならず、腎や脳・足の血管にとっても主に閉塞するリスクに関連が深いことが知られています。そのため、強力なLDLコレステロール低下薬であるスタチンは、腎機能低下を抑制し、タンパク尿を軽減させることなどが示されています。
 本ガイドラインでは、スタチン単独、あるいはスタチン・エゼチミブ併用はCKD において安全に使用できるため推奨するとされています。CKD におけるスタチン使用に際して、横紋筋融解症が心配されることが多いのですが、スタチンは胆汁排泄性であることは、安全に使用できることを示しています。
 実際、国内で行われたスタチンを用いたMEGA 研究の中等度CKD 患者さんにおける解析結果では、食事療法単独群と食事療法にスタチンを併用した群とのCK (CPK)上昇頻度に差異がなかったことを報告しています。海外でも、透析患者さんを含んだCKD患者さんを対象とした解析においても、スタチンは安全に使用できることが報告されています。さらに、有名なSHARP 研究というスタディではスタチンとエゼチミブの併用における安全性も示されています。
 そして、未透析CKD患者さんも血液透析患者さんも糖尿病患者さんと同等かそれ以上であるとされ、LDL-C<120 mg/dL, Non-HDL-C<150 mg/dLの管理目標値が設定されています。