< https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31462487 >
・・・東北大学の研究グループは、便秘症の治療薬として使用されている薬剤リナクロチド(商品名:リンぜス)が慢性腎臓病の進行を抑え、心血管疾患のリスクを低下させる効果があることを、動物モデルを用いて明らかにしたと発表しました。

 最近では、心腎連関など、複数の臓器の間で、さまざまな関連性があることがわかってきいています。一方、腸内細菌叢の違いによって、いろいろな内臓疾患へ与える影響が無視できないことも、明らかになりつつあります。今回の発表グループは、腸内細菌由来の代謝物質であるトリメチルアミン-N-オキシドという物質の血液中の濃度が上昇することが心血管疾患の主要なリスク因子であることを、これまでの臨床研究で示してきました。特に、慢性腎臓病患者さんの死亡率を上昇させることも示しています。

 今回は、さらに踏み込んで、腸内環境を変化させる薬剤として便秘症の治療薬であるリナクロチドを用いて、腎臓病に対する治療効果を検討しました。腎不全マウスにリナクロチドを投与すると、腎臓の機能と組織の障害が改善し、腎臓病の進行が抑制されたという結果を示しています。また、リナクロチドを投与したマウスでは心血管疾患のリスク因子であるトリメチルアミン-N-オキシドの血中濃度が減少することも明らかにしています。

 リナクロチドは、新しい世代の抗便秘薬です。今後は、この薬が効く人と、効かない人で、腎臓にも影響がでるのかどうか。そもそも、便秘でない人ではどうかなどの解明が待たれます。