高コレステロール血症の管理目標を考える際に、一次予防・二次予防の考え方の違いが明確に示されます。高コレステロール血症に限らず、さまざまな疾患の治療目標・管理目標として、一次予防・二次予防、場合によっては三治予防が設定されています。まずは、これら予防の目的をふりかえりましょう。

 ある病気の原因と思われるものの除去に努めて、健康の増進を図るという予防措置をとることを一次予防といい、一言では「健康づくり」です。一方、二次予防は、すでに病気になった人をできるだけ早く発見し、早期治療を行うことで、進行を抑制し、病気が重篤にならないように努めることをいい、これは「早期発見、早期治療」という位置づけです。さらに、三次予防は、病気が進行した後の、後遺症治療、再発防止、社会復帰などを行うもので「リハビリ・再発防止」が中心です。

 「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、(1)年齢、(2)性別、(3)喫煙、(4)血圧、(5)HDLコレステロール、(6)LDLコレステロール、(7)耐糖能異常、(8)早発性冠動脈疾患家族歴――の8項目の合計点で、リスク区分を行っています。その得点に基づいて、一次予防内における低リスク、中リスク、高リスクの3つのリスク区分に分類することで、区分ごとの脂質管理の目標を定めています。

 さて、二次予防の基本的なLDL-C管理目標値が100mg/dLであることは前のガイドラインと同じですが、今回、二次予防の中で、より厳格な管理を目指すべき病態として、「LDL-C 70mg/dL未満」という数値を掲げています。その病態は、家族性高コレステロール血症と急性冠症候群で、糖尿病でハイリスク病態(非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)、慢性腎臓病(CKD)、メタボリックシンドローム、喫煙)と示しています。つまり、糖尿病性腎臓病(DKD)は、この厳格な管理を目指すべきということになりますね。