< https://www.nature.com/articles/s41598-019-50685-0 >
・・・ほとんどの腎臓病は、症状がないまま腎不全まで進むことが多く、よほど注意深く、健康診断で腎機能の推移や、わずかな尿の異常を見逃さないようにしないと、誰しもが「知らないうちに腎不全」となるのが、現代の日本です。

 今回の広島大学のグループが発表した研究結果は、腎臓病の初期の変化を体外から観察できるというマウスを作成しました。このマウスは、通常の検査異常が現れる前の段階において、体内で化学発光が行なわれ、それを体の外から検知するという仕掛けを、マウスの遺伝子改変技術によって可能にしました。

 マウスにアデニンという物質で腎炎を誘発する実験法があるのですが、こうして腎炎を誘発した際に、Serum amy l oid A3 (Saa3)という遺伝子にスイッチが入る方法を用いて、スイッチオンになると光る遺伝子とセットにして、その光具合をマウスの体の外から測定するというものです。

 このマウスを用いることで、どのような薬や食品が腎臓での炎症を抑制する効果があるかを生体で観察することが可能になり、どの程度の時間で効果がみられるようになるかなど、従来の方法では難しかった点を解決できるようになりました。

 あとは、ひとつの遺伝子の変化だけでなく、本当に腎臓自体の炎症が抑えられて、病変が治っているかどうか、あるいは進行していないかどうか、さらには、どのようなメカニズムで効果が得られたかなどを検証する必要がありますね。