【Q】
腎臓が傷み始めると、早期でも血液検査で知ることができる?
イエス (YES) or ノー (NO) ???

【正解】
ノー (No)
【ポイント解説】以前の、第6問とも関連しますが、腎臓は、ネフロンがかなり減少しても、代償性に機能するため通常の検査では発見することが難しい臓器であるということを再確認しましょう。例えば、糖尿病性腎症で、まだ微量アルブミンが出現する前であっても、完全に壊れている(硬化と呼びます)糸球体が存在することが電子顕微鏡などによる観察で示されています。
 壊れた糸球体の役割を、残っている糸球体が担うことが知られており、一個あたりの糸球体のろ過量が増してくることも、さまざまな方法で確認されています。それだけ、血液の状態を一定に保つ(恒常性の維持)ことが重要であるとも言えます。このように腎臓が頑張ってくれるおかげで、血液から栄養や酸素を受け取る細胞が正常に機能できるわけです。
 そうしたことから、血清クレアチニン値が少しでも上昇してくると、もうその時点では、かなり腎臓が傷んでしまっている可能性があります。また、問題なのが、現在の血清クレアチニンの基準値(一般で言う正常値)の範囲が年齢を考慮されていない点にあります。これも、先のこのコーナーでも触れましたが、少なくとも30歳以降は年齢を重ねるだけで腎機能が低下していきます。そのことが、基準値には考慮されていません。
 その分、eGFR(これも過去記事を参照ください)は年齢を考慮して計算されるので、血清クレアチニン値よりは参考になります。
 ただ、腎炎などでは、血清クレアチニン値よりも早期に異常が尿にみられる(尿潜血など)場合があるので(そうでない場合も多い)、少なくとも尿検査異常が認められる場合は精査と指導・加療が必要です。