< https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30954364 >
・・・前回も、肥満やメタボが脳の老化に関連するとの話題をとりあげました。今回は、聴力に関しても負の要素であるとの報告です。たしかに、加齢とともに聴力が低下するのは、やむを得ない現象ともいえますが、可能であれば避けたいもの。

 その予防には、肥満の予防・解消に効果ありというのが、今回の報告です。国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部が発表したものです。国内の12の企業に勤める約5万人の会社員に対して、最長8年間追跡した観察研究の成果です。

 職域多施設研究(Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study;J-ECOHスタディ)というビッグデータを用いての解析結果です。ベースラインの職域定期健診の時点では、聴力が正常であった20~64歳の会社員、約5万人を対象とし、観察期間中に受けた純音聴覚検査によって、聴力低下との関連を調べました。すると、肥満がある人では、聴力低下のリスクが高まることが明らかとなりました。

 こうした結果に至った原因としては、肥満を原因として、動脈硬化が進むことで、内耳動脈が狭窄や閉塞を起こした結果、内耳の聴覚器官である蝸牛という組織の血流量が減少することや、肥満に伴う炎症や酸化ストレスで、聴覚細胞が損傷を受ける可能性が考えられるとしています。