【Q】
かなり基本的な質問なのですが、定性検査と定量検査という言葉の意味の違いがよくわかりません。なぜ定量を勧めているのかも含めて教えてください。

【A】
 まず、定性検査と定量検査について、説明いたします。定性は尿の「性」状、もっとわかりやすく表現すると性格、特徴を意味し、定性検査は、それらを調べるということです。定量は尿のあるもの(主にタンパク質)の「量」を意味し、定量検査は、具体的な量を調べます。

 もっとも、重要性が高いのが、「尿中のタンパク質」に関してですので、尿タンパクの定性検査と定量検査を比較すると、こうなります。多くの健診や人間ドックの検査では、定性検査が主流です。検査結果が、
(-)の場合は、尿の濃度が15mg/dl未満、(±)の場合は、尿の濃度が15~30mg/dl、(1+ )の場合は、尿の濃度が30~100mg/dl、(2+ )の場合は、尿の濃度が100~300mg/dl、(3+ )の場合は、尿の濃度が300~1000mg/dl、(4+ )の場合は、尿の濃度が1000mg/dl以上、というようにすべて、尿の濃さ、すなわち濃度で決まります。

 そうすると、ヒトの場合、例えば1日の尿量は、400mlから5000mlくらいまで、相当な幅があります。そのため、検査をするときの尿の濃さ(濃度)によって、定性検査の結果は大きく左右されるということになります。本当に知りたいのは、一日にどの程度の尿タンパク「量」がでているかなのです。

 血液検査ですと、体内の血液量はほぼ一定していますから、採血をするだけで、「定性」と「定量」に大きな違いは生じないのです。それに対して、尿は一日量が大きく変動するため、「定性」と「定量」という二つの検査が存在しています。

 正常の人でも、一日全体では、尿タンパクがわずかに出ています。そのため、検査の日に絶食で、しかも飲水が少ない状況で、検査をうけると「濃縮尿」という、普段とくらべても「濃すぎる」尿を検査していることが、しばしばです。

 繰り返しになりますが、検査で本来知りたいのは、正常範囲を超えて尿にタンパク質が出ていないかどうかなのです。もっとも、正確なのは、まる一日の尿を畜尿としてためるのが良いのですが、普段の生活では難しいのが実際です。そのため、「量」を正しく知るためには、「補正」が有効です。

 尿中には、一日に排泄される「クレアチニン量」が一定ということが知られています。そこで、畜尿を行わなくても、一回の尿(随時尿)において、「尿タンパクの濃度」と「尿中クレアチニン濃度」を同時に測定し、比を計算することで、一日当たりの尿中タンパク質の量を知ることができ、信頼性の高い結果を売ることができます。

 これまでは、尿の「定性検査」は尿試験紙ひとつで、潜血や尿糖や比重などいろいろな情報が得られて機械も必要ないため、一般化してきましたが、以上のようなあいまいさが大きい検査でもあります。そのため、少なくとも、定性検査で異常が疑われた場合、定量検査を行うことで、正確な情報が得られるということになります。