睡眠の重要性は多くの方が、納得されているものと思います。一方で、仕事や家事で忙しく、睡眠時間の確保が難しい、もしくは、時間があるがなかなか質のよい睡眠ができないというような場合も多いように思います。このような場合、睡眠をサポートする薬剤を使用する機会もみられます。しかしながら、睡眠薬の使用に不安をもたれているかたが多いのも事実です。

 昨年末に、朝日新聞で発表されたのは、厚生労働省のデータを元に行った分析で、転倒や骨折、認知機能低下を引き起こすので使用を控えるべきとされている「睡眠薬・抗不安薬」が、65歳以上の高齢者、特に80代に多く処方されているというものでした。

 睡眠薬にも、さまざまな種類が増えてきており、現在、「不眠症」に対して、医療機関ではさまざまな種類の睡眠薬が処方されています。睡眠薬には中枢神経の興奮を抑制する作用があり、高齢者の場合、「ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系」の薬を用いると、転倒や認知機能障害が生じやすくなるとの研究結果が数多くあります。日本老年医学会が公表している「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」では、これらベンゾ系の睡眠薬は「可能な限り使用は控え、特に長時間作用型は使用するべきではない」ものと位置づけられています。

 加齢が進むと薬を分解・排出する力が衰えるため、若い世代よりも副作用による影響が強く出やすくなっています。また睡眠薬は持続時間によって、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4つに分類されていますが、長時間型は使用するべきではないと、明記されています。
 
 睡眠薬を服用する時の注意点としては、1) 就寝前に服用する, 2) アルコール類と一緒に服用しない, 3) 自分の判断で飲む量を増やしたり、急に止めたりしない, 4) 服用したら車の運転などはしない, 5) 睡眠薬の効果が朝や昼まで残ることがあるので、眠気やふらつきなどの症状に注意をするなどがあります。