【IgA腎症】第2回 原因と症状
  今回は「IgA腎症」の発症の原因と、主に初期の症状についてみていきたいと思います。前回は、IgA自体の話をしました。それでは、どのようにIgAが腎臓に影響を与えるのかというところから、始めていきましょう。

 上気道炎の後に発症することが多いことから、急性扁桃炎などの感染症が関与していることが考えられていましたが、詳しい原因は長らく不明でした。しかし、最近になって少しずつ病気の成り立ちが明らかになってきています。IgAを含む免疫複合体などが糸球体に沈着することで、炎症が起こり、慢性化すると徐々に糸球体が壊れていきます。
 
 この糸球体に沈着するIgAを詳しく調べると、異常なIgA(糖鎖異常IgAといいます)があることがわかってきました。また、血液の中にもこの糖鎖異常IgAが増えていることがわかってきました。この血液中の異常なIgAが、複合体を作ったり、他の分子と結合したりする(凝集)ことで、糸球体に沈着した後、炎症を引き起こします。

 さらに最近の研究で、遺伝的な素因も関係することがわかってきました。また、上気道炎以外の原因も知られるようになり、現在では、「粘膜免疫」の異常がIgA腎症の形成に深く関与していると考えられています。

 ただ、多くはやはり、咽頭などに細菌やウイルス感染が生じたあとにつくられたIgAが、何らかの原因で糸球体に沈着して炎症を起こすことが多く。典型的な発症時の症状としては、上気道炎にかかった際に、コーラのような色の血尿(肉眼的血尿)にびっくりして病院を受診し、その後の腎生検で診断が確定するという場合があげられます。しかし、肉眼的な血尿を示すのは一部であり、顕微鏡的血尿と呼ばれる尿潜血の異常から始まるケースがしばしばみられます。この場合、注意が必要なのは、進行すると尿タンパクも増えてきて、検尿で陽性になることです。

 尿タンパクが持続するようになった時点では、かなり腎臓の組織が傷んでしまっていることが多いので、やはり検尿検査などの結果によって、早めに尿潜血の原因をはっきりとさせることが重要です。