< https://www.astellas.com/jp/ja/news/21526 >
・・・最近、新たな腎性貧血の治療薬が登場したことをご存知の方も多いかと思います。これまでのエリスロポエチン製剤が注射であったことと比べて、新たな治療薬は経口薬であることが画期的な違いです。注射薬だと、透析患者さんは透析の回路から投与できるため、痛みをともないません。また、透析には至っていない腎性貧血の患者さんの方々には、注射だけのために通院が必要という、手間が発生することも少なくありません。

 この新しい作用の薬剤は、HIF-PH(低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素)阻害薬というもので、5種類が各製薬会社によって、開発競争となり、すでに、ロキサデュスタット(アステラス製薬)が、透析患者を対象としては承認を得ており、すでに使用例が増えつつあります。

 経口薬であるという点以外では、作用機序が随分と異なります。HIF-PH阻害薬は、体内で不足した時にエリスロポエチンの産生を誘導する転写因子である「低酸素誘導因子(HIF)」という分子を安定化させることで、エリスロポエチンの産生を増やします。また、鉄の利用効率も高めることが知られています。

 各社のHIF-PH阻害薬は、透析患者さんに引き続き、保存期の腎性貧血の患者さんへの、保険適応もめざしており、実際に使用できるようなると、利便性の向上にもつながるでしょう。ただ、作用機序が異なるため、メリット・デメリットがそれ以外にも、さまざまあります。実際に、保存期の使用が決まったら、あらためて話題にしたいと考えています。