メルマガでとりあげた 「降圧療法」の内容と関連します。メルマガでは、糸球体ろ過圧として述べましたが、ほぼ同じものと考えてください。腎臓の本来の機能である、血液中の老廃物である尿毒素をろ過の原理に従って、尿に濾し出す機能に関するもので、腎機能を保持する上で、最重要ともいえます。

 糸球体は、ヒトではひとつの腎臓に百万個あるとされています。そして、一つの糸球体の直径が1mmの5分の1であり、その中の糸球体毛細血管は、内径が1mmの100分の1というサイズです。つまり、糸球体血管は皮膚などの毛細血管と同じサイズの毛細血管です。違いは、糸球体毛細血管は通常の毛細血管の約5倍の内圧に耐える構造となっており、それを維持することで、うまく、尿毒素を尿中に濾し出すことができます。

 知っておいていただきたい重要な点は、2点あります。一つ目は、腎機能低下よりもタンパク尿の増加が目立つ際は、糸球体内圧が上昇していると考えて、ARBがよい適応となることがあります。もう一点は、腎機能低下が進行した際の降圧療法の考え方です。ひとつの腎臓に百万個、ふたつでは二百万個もの糸球体が正常では機能しています。しかしながら、例えば、腎機能が半分になると(eGFRが50)、残っている糸球体一つあたりの仕事量が倍になります。そして、微細な構造ですから、長持ちせずに、オーバーワークで壊れていきます。

 この2点を常に考えるだけでも、かなり適切な降圧療法が可能になります。もちろん、食事や体重など、血圧とタンパク尿の両者に影響を与える因子も同時に注意しておく必要はあります。