FSGSの治療は、一次性と二次性とでは方針が異なってきます。FSGSの治療法は、原因が不明であるため、まだ十分に確立された状況にはありませんが、ネフローゼ症候群が持続する場合、予後が極めて不良で腎不全や透析に至る一方で、完全寛解や不完全寛解1型にもちこむこができれば、症例は予後がよいことから、1日尿タンパク量1g未満を目指して、積極的に治療を行います。

  小児にも発症することもあり、微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)以外が疑われる場合や、ステロイド抵抗性の場合には、FSGSと診断し、治療を始めます。成人の場合では、厚生労働省難治性疾患克服研究事業進行性腎障害に関する調査研究班、難治性ネフローゼ症候群分科会によるネフローゼ症候群診療指針として治療指針が示されています。

 治療の主体は、MCNSと同様、副腎皮質ステロイド療法であり、病勢の強い症例にはパルス療法も考慮します。ステロイド抵抗例(4-8週間のステロイド治療において完全寛解や不完全寛解1型に至らない例)には、ステロイドに、免疫抑制薬(サイクロスポリン、シクロホスファミド、ミゾリビンなど)を追加します。さらには、尿タンパク量を少しでも、低下させるために、抗凝固薬や抗血小板薬を併用することもあります。

 高血圧を呈する症例では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬の使用を適正使用することもあります。蛋白尿量が多いと、脂質異常症を発症したり、増悪するので、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)や小腸コレステロールトランスポーター阻害薬エゼチミブなどの投与を考慮します。さらに、高LDLコレステロール(悪玉)血症を伴う難治性ネフローゼ症候群に対してはLDLアフェレシスを、また液性因子が原因ということから、血漿交換療法も併用します。
 二次性のFSGSの場合には、家族性/遺伝子変異、ウイルス感染、薬剤性などによるものがあげられます。遺伝子変異に関しては、保存的な治療になります。ウイルス感染ではHIV感染者のいわゆるHIV関連腎症として、またパルボウイルスB19感染により、これらのウイルスは糸球体上皮細胞を標的とすることが知られており、各ウイルス血症の加療と行います。また、薬剤性としては、ヘロイン、インターフェロン-α、リチウムやビスホスホネートなどが知られており、基本的には薬剤中止で経過をみていくことになります。(次回へ