巣状分節性糸球体硬化(FSGS)は、この前のシリーズでとりあげた膜性腎症(Vol.26~30)と同様に、原因の明らかではない一次性(特発性)と、原因の明らかな二次性(続発性)の場合があります。いずれも糸球体上皮細胞(ポドサイト:podocyte)の障害による糸球体障害により発症すると考えられていて、その特徴を表して、podocyte diseaseまたはpodocytopathies(ポドサイト病)としてとらえられています。

 このように、臨床的には、微小変化型ネフロ-ゼ症候群のような高度のタンパク尿を呈することもありますが、原因としては、分かれており、一次性(特発性)のFSGSでは、血液中の液性因子の関与が以前より推測されています。しかしながら、未だに、その主たる原因は不明なままです。その結果、難治性でもあるということに関連します。

 二次性のFSGSの場合には、家族性/遺伝子変異、ウイルス感染、薬剤性などによるものがある。遺伝子変異に関しては、変異がみられる遺伝子が少しずつ解明が進んでいて、その多くが糸球体上皮細胞(podocyte)、およびスリット隔膜関連タンパクに関連した遺伝子の異常であり、そうした結果から、糸球体上皮細胞の障害がFSGSに直接関与することを裏づけています

 ウイルス感染ではHIV感染者のいわゆるHIV関連腎症として、またパルボウイルスB19感染により、これらのウイルスは糸球体上皮細胞を標的とすることが知られています。また、薬剤性としては、ヘロイン、インターフェロン-α、リチウムやビスホスホネートなどが知られています。

 症状としては、微小変化型ネフローゼ症候群に類似するところも多く、大量の尿蛋白、低アルブミン血症・低蛋白血症、浮腫、体重増加などが認めらます。違いとしては、尿潜血を認めることも少なくなく、臨床的には、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を呈し、腎機能低下は進行性です。さらに、高血圧が60~80%の症例で認められます。(次回へ続く