巣状分節性糸球体硬化(FSGS)は、巣状分節性(糸球体の一部)の硬化病変という病理形態像を表現する用語です。このような糸球体病変を呈する疾患の中に、臨床的にネフローゼ症候群などの高度タンパク尿を伴い、ステロイド治療抵抗性で、徐々に腎機能障害が進展する疾患群が含まれていることが明らかにされています。

 しかしながら、全例が高度のタンパク尿を呈するわけでもなく、現在では、FSGSの中には組織学的に分節性の糸球体硬化病変を呈さない疾患群も含まれ、また、原因や病態が明らかな二次性のFSGSも加わり、複雑な疾患群により構築されています。

 臨床的には、当初は、微小変化型ネフロ-ゼ症候群として治療していたにもかかわらず、ステロイド投与に対する反応が不良、もしくは徐々に低下することで、ネフロ-ゼ症候群が軽快せず、再度腎生検を行うと一部の糸球体(巣状に)の硬化が見られることからFSGSが注目されたという経過もあります。当初の微小変化型ネフローゼ症候群からFSGSに移行するのか、当初の診断に問題があったのかも不明です。

 しかし、治療でいえることとして、糸球体硬化が少なければ、ステロイド治療に良好に反応することも、しばしば径消します。要するに、FSGSと言われる腎障害の中にも、雑多な要因が複合的に入り混じった状態があるとも言えます。また、遺伝子変異が原因であるケースも知られており、変異の部位によって、発症時期や、悪化の速度に違いがあるようです。(次回へ続く