近年、腎臓リハビリテーションが話題になることが増えてきています。簡単には、かつての、腎臓病には運動はタブーのようにとらえられていた時期もありました。しかしながら、徐々に、さまざまな腎臓病患者さんにとって、有益な作用が運動にあるということが、わかってきています。

 まず、最近では、腎臓病の多くは、加齢と肥満・メタボが腎機能低下の原因となってきています。このように、メタボリックシンドロームの原因である、各種の生活習慣病(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症など)が慢性腎臓病の危険因子となっています。

 しかし最近になって、適度な有酸素運動によって、尿蛋白減少などの効果がみられたとの報告がみられるようになったりと、肥満の解消による減量の効果も容易に想像されるのですが、それ以外にも、最大酸素摂取量の増加、左心室収縮能の亢進(安静時・運動時)、心臓副交感神経系の活性化、心臓交感神経過緊張の改善、MIA症候群の改善、貧血の改善、睡眠の質の改善、不安・うつ・QOL の改善、ADL の改善、死亡率の低下などをもたらすことが明らかにされてきています。

 また、慢性腎臓病患者さんは栄養状態が悪化しやすいため、筋肉量減少や運動能力が低下しやすいことが知られており、その点でも、運動不足がサルコペニアやフレイルになりやすいので、特に、高齢者でも効果が期待できます。さらに、近年の動物実験や臨床研究によって、運動による直接の腎保護作用が明らかになってきています。