【Q】
腎臓の予防のために水分を1日に1500ml摂る事を薦めておられますが、漢方では水毒といって、水分を必要以上に摂る事は体に良くないと言われているようです。水分を多く摂ると腎臓にはいいが、他の箇所で影響が出るような事はありませんでしょうか。

【A】
まず、1500mlというのは、一般成人の1日に摂取が望ましい水分量の目安です。もちろん、過度に腎臓の濃縮力を酷使しないためにも、いい目安と考えます。また、上記のように、腎機能が低下を始めると、濃縮力が低下してくるので、体内に尿毒素を残さないように、さらに上乗せで、水分摂取が必要となります。 
 ご指摘のように、飲水量だけに注意を払っておけばよいのではなく、前提として塩分の過剰摂取がないことが必要条件です。水と塩分は行動をともにしますので、塩分過剰摂取のところに水分をとると浮腫などがみられたりします。味の濃い食事を摂取した翌朝にむくみっぽいというのは、こうしたケースです。一般に、「水太り」と言われるのも、同じ理屈です。
 そして、水分の摂取量を決める上で、注意が必要なのが、心臓の機能が低下されている方、栄養状態のよくない方ということになります。ともに、摂取した水分が期待通りに尿にならず、問題を起こすことがあるからです。
 さて、漢方でいう「水毒」ですが、西洋医学の「水中毒」とは別の概念です。「水毒」は、体内の水分のアンバランス(過不足)をさします。例えば、二日酔い・熱中症・下痢・嘔吐などによる脱水も「水毒」で、逆に足のむくみ・胸水・腹水などの水分過剰だけでなく、水様性鼻汁なども「水毒」としてとらえます。『五苓散』なども「水毒」治療の代表例ですが、感染症などの発熱による脱水などにも用いられます。
 漢方薬・生薬ならではの、バランスを回復させる役割があらわれています。