「人は血管とともに老いる」といいますが、その重要な指標となるのが血圧です。血圧とは、心臓が血管(動脈)を介して全身に血液を送り出す圧力です。ポンプの主体である、4つの部屋のうち、左室が収縮して最も高くなった動脈内圧が収縮期血圧(systolic blood pressure:SBP)、逆に心臓が拡張して最も低くなった動脈内圧が拡張期血圧(diastolic blood pressure:DBP)です。それぞれ、上の血圧、下の血圧という言われ方をします。

 これまでの歴代の「高血圧治療ガイドライン」では、それまでのさまざまな研究結果をもとに、脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管病を予防するための「降圧目標」が示されてきました。そして、最新の『高血圧治療ガイドライン2019』においては、降圧目標が従来から変更されています。

 その理由としては、「厳格治療と通常治療を比較すると、厳格な降圧により心血管イベントを抑制することができる」というもので、エビデンスに基づいた変更であるということです。そして、重要な点としては、「生活習慣の修正が治療の基本」と強調されており、リスク層別化により低・中等リスクに分類された患者さんが降圧薬治療で140/90mmHg未満になった場合には、生活習慣の修正を強化して130/80mmHg未満を目指すとしています。

 さらに、降圧目標の変更により、新たに450万人が降圧薬治療の対象になるとの試算が行われ、「収縮期血圧を10mmHgあるいは拡張期血圧を5mmHg減らすことで、脳心血管イベントを20%減らすことができる」として、その重要性が示されている。