我が国は、超高齢社会を迎え、その中で糖尿病患者の高齢化も増加の一途を辿っています。高齢者メタボというような言葉を聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。高齢者では、臓器機能低下がみられやすく、その程度に個人差が大きいというのも特徴です。そのため、高齢者では重症低血糖を来しやすいという問題点があります。重症低血糖は、認知機能を悪化させたり、心血管イベントのリスクとなるため、大変危険です。

 こうした背景で、高齢者の糖尿病に対する薬物療法を考えると、慎重さを要する項目がいくつか、指摘されています。もちろん、肝機能や、腎機能に応じて、薬物の選択や用量調整を行うことは当然として、高齢者に特徴的な注意点が、主に、次の3点がとりあげられています。

(1) SU薬は、高齢者においては、食事量の低下や不規則さもみられやすく、使用を控えるべき、もしくは、慎重に投与すべき。
(2) メトホルミンは、高齢者では、乳酸アシドーシスという重篤な副作用のリスクが高まるため、慎重に投与すべき、特に75歳以上では、より慎重に投与すべき。
(3) チアゾリジンは、女性において骨折、また、骨粗鬆症や心不全のリスクを上げるため、使用するにしても、少量から開始して、慎重に投与すべき。