今回は『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2015』から、「糖尿病」をとりあげます。

 我が国は、超高齢社会を迎え、その中で糖尿病患者の高齢化も増加の一途を辿っている。高齢者には、臓器機能低下の程度に個人差があり、特に心身機能の個人差が著しい。それに加えて、高齢者では重症低血糖を来しやすいという問題点もある。重症低血糖は、認知機能を悪化させたり、心血管イベントのリスクとなる。

 こうした背景で、高齢者の糖尿病に対する薬物療法を考えると、慎重さを要する項目がいくつか、指摘されている。もちろん、肝機能や、腎機能に応じて、薬物の選択や用量調整を行うことは当然として、高齢者に特徴的な注意点が、主に、次の3点がとりあげられている。

(1) SU薬は、高齢者においては、食事量の低下や不規則さもみられやすく、使用を控えるべき、もしくは、慎重に投与すべき、とされている。
(2) メトホルミンは、高齢者では、乳酸アシドーシスという重篤な副作用のリスクが高まるため、慎重に投与すべき、特に75歳以上では、より慎重に投与すべき、とされている。
(3) チアゾリジンは、女性において骨折、また、骨粗鬆症や心不全のリスクを上げるため、使用するにしても、少量から開始して、慎重に投与すべき、とされている。

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