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・・・腎機能の低下とともに、便秘傾向になります。いろいろな要因があるなか、腸内環境の変化が、最近注目を集めています。また、便秘とともに、食後の腹部膨満感で不快な思いをされている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。外来でも、いろいろとご相談いただく内容の一つでもあります。

 今回、「American Journal of Gastroenterology」にて報告された内容は、意外なものが腹部膨満感の原因になっているというものです。米国のジョンズ・ホプキンズ大学のNoel Mueller博士らは、塩分を取り過ぎた時に、腸が過剰に反応して腹部膨満感を引き起こしているのではないかという可能性を示したものでした。

 この研究は、1998~1999年に実施された大規模試験、DASH-Sodium試験のデータを用いたもので、この試験においては、健康成人を対象として、高血圧の予防や改善を目的とした食事療法として有名なDASH食(低脂肪で繊維質、果物、ナッツ類、野菜を豊富に取り入れた食事)群と、食物繊維が少なくて脂肪が多い平均的な食事を取る群で比較を行いました。

 試験開始時に、参加者の36.7%が腹部膨満感を訴えていました。こうした健康のための有名なDASH食の群の方でも、平均的な食事の群の方でも、どちらも、塩分の摂取量が多い人で腹部膨満感を生じる確率が高いことが分かりました。一方で、塩分摂取量を減らすと腹部膨満感の症状が軽減することも示されています。減塩することで、腸内ガスの発生を防ぎ、腹部膨満感の症状軽減に効果的と述べています。  

 こうした機序として、Mueller博士は、塩分摂取量が多いほど体内に水分が貯まり、消化効率が低下することで腸内でガスが発生し、腹部膨満感が引き起こされるのでは、と説明しています。さらに、マウスを用いた実験で、食事に含まれる塩分は腸内細菌の組成を変化させる可能性も示しており、それも腸内ガスの発生につながっているとも考えられると述べています。