あまり聞きなじみのない言葉かもしれません。シスタチンCとは、タンパク質のひとつで、全身の有核細胞で産生されていて、システインプロテアーゼインヒビターとして、生体内で働いています。といっても、ピンとこないと思います。

 このシスタチンCが、臨床の現場に登場したのは、eGFR推算式を用いて、腎機能を評価するというCKDが登場したタイミングです。では、何故か。eGFRは、血清のクレアチニン濃度、性別、年齢によって算出されます。このクレアチニンに関して、注意が必要です。まず、クレアチニンの産生量が筋肉量の影響を受けるという点です。そのため、日本人の標準体型から大きく外れる、筋肉質な方や痩せの方は、eGFRの推算式の結果が正しく当てはまらないという問題があります。
 そのため、高齢になると筋肉量が維持できなくなると、実際の腎機能が低下していても、血清クレアチニン濃度が基準値内にあり、eGFRも実際よりもよい数値で出てしまいます。さらには、クレアチニンは糸球体ろ過の際に、尿中に出る以外に、尿細管からも分泌されていて、GFRが40以下程度まで低下しなければ、血清クレアチニン濃度は上昇しにくく、やはり、腎機能を過大評価してしまう可能性もあります。さらには、低栄養の方でも、尿細管分泌が増加し、精確な腎機能の把握が難しくなります。

 こうした問題点を有したクレアチニンと異なり、血液中のシスタチンCは、食事や炎症、年齢、性差、筋肉量などの影響を受けないため、小児・老人・妊産婦などでも問題なく測定できます。しかしながら、万能とは言えず、保険の関係で、3か月に1回しか測定できず、腎機能がある程度低下すると、シスタチンCの値は、頭打ちになるため、血清クレアチニンの方の有用性が高まります。