コーヒーをよく飲む人では死亡リスクが低いことが知られています。一方で、腎機能が低下してくるとカリウムの摂取制限の指導を受けることが多く、コーヒーには、カリウムが多いということで避けられているケースもよくあります。それでは、どれほど、コーヒーにカリウムが含まれているのか。

 煎茶や麦茶などでは、100ミリリットル中6~7ミリグラムですが、コーヒーになると、70~80ミリグラムと約10倍ものカリウムが含まれているとされます。もちろん、濃さなどによって、違いはでています。さて、それでは、カリウム制限を受ける方は通常は、どの程度の1日の摂取量で指導されるか。普段の、血液でのカリウムの値にもよりますが、1日に1500~2000ミリグラムです。

 一方、これも何度か述べてきましたが、腎機能の低下、すなわち毒素の濃縮力の低下に伴って、尿量を増やすために、問題がなければ一般成人の1500mlより多く飲水を摂り、多くの尿を出せるようにすべきです。そして、カリウムは、その多くが尿中に排泄されます。それなら、コーヒーは、ダメというわけでもなくなってきます。

 最近、興味深い報告がありました。約5,000人の慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした研究で、CKD患者においても、1日当たりのカフェイン摂取量が多い人は、摂取量が少ない人に比べて全死亡リスクが低い可能性のあることがMiguel Bigotte Vieira博士らの研究で示されています。

 平均5年間の追跡結果が示したのは、死亡リスクは、カフェイン摂取量が最も少なかった群に比べて、最も多かった群では22%低く、摂取量が2番目、3番目に多かった群ではそれぞれ26%低かったということです。この研究では、因果関係は明らかになっていませんし、カリウムに関する言及はないのですが、カフェインの作用はともかくも、腎臓病患者さんにコーヒーを飲む習慣を何が何でも辞めさせる必要はなく、含まれる量からしても、食事などでの注意が優先されます。考察では、コーヒーには、一酸化窒素を通して血管機能を改善する作用があるのかもしれないとのことですから。