腎機能が低下するに従って、脳梗塞や心筋梗塞だけでなく、心不全に至る可能性が高まります。加齢自体も心不全のリスクとなりますので、心不全死を減少させることが、生命予後の改善に大きく寄与するはずです。それでは、日々の検査で心機能の評価と、経過観察をどうするかという点が重要です。

 特に、脳梗塞・心筋梗塞と異なり、心不全の多くは、慢性化し、食事の乱れなどにより、増悪・改善を繰り返し、頻繁に入退院を繰り返す方も増えてきています。テレビでも、心不全がパンデミックになってきているという話を聞かれた方も、少なくないのではと思います。

 今回はBNPと心不全の関係についてです。実は、ANP, BNP, CNPと3種類のナトリウム利尿ペプチドが存在していますが、BNPは、他の2つと比べて、心機能の評価に用いられるように、本来のポンプとしての心臓の機能と密接にリンクしています。BNPは、健常人の血中濃度は極めて低値なのですが、急性および慢性心不全患者では重症度に比例して増加することから、心不全の病態の把握に有用なのです。

 このようにBNPは、心筋の病態に応じて、鋭敏に反応するため、心不全の診断または病態把握に広く用いられています。また、症状のない早期心不全でも血中濃度が上昇していることから、最近は心不全のスクリーニング検査としても注目され、人間ドックや検診にも用いられることがあります。