今回で、血圧の話は最終回です。4回にわたっての話となりましたが、それほど、血圧は腎臓にとって重要であり、腎臓の状態で血圧が決まるといってもいいからです。

 さて、前回の続きです。糸球体内圧が低い方、高血圧はあるが、実は、腎臓の内圧が低い方が、近年、とっても増えてきているといいました。そして、それが腎機能低下の進行を早めると。まず、思い出していただきたいのが、腎臓の本来の役目は、血液を一定の「綺麗な」状態にすることにあるということです。元をたどれば、全身の細胞が本来の機能を果たすため、そこに栄養を送り、一方、不要になったゴミ(代謝産物など)を回収することで、ヒトをはじめ動物は生きています。

 そうしたことから、糸球体の内部で一定のろ過圧(糸球体内圧)が必要です。これが、低いと十分なろ過ができない、つまり、不要なゴミを排泄できないということになります。検査結果で言えば、血液検査で、クレアチニン値、尿酸値、BUN、カリウムなどが高くなります。

 注意が必要なのは、糸球体内圧が低下していくと、尿蛋白量も減少します。一般的には、尿中のタンパク質量が減っていくことは腎保護につながるのですが、この糸球体内圧が低下している場合は例外です。

 それでは、どのような場合に糸球体内圧が低下するかというと、多くは2つのケースです。1つは、脱水傾向です。糸球体への血液の流れが悪くなるので当然ですね。利尿剤を使用している場合もこの点に注意が必要です。そして、もう1つのケースは血圧の薬の中でよく用いられるARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)が過剰に用いられている場合です。

 ARB自体は、尿タンパクが多い場合に適切に作用すると腎保護につながります。それを実現させるために何が重要か。それは、適度な飲水を維持することです。